高齢の親が体調不良の時に食べやすいもの10選|在宅介護で家に常備したい食べ物、飲み物
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さっそく、結論から言うと…
在宅介護初心者さんが「とりあえず家に置いておくと安心な病人用ストック」は、この10個です。
- スポーツドリンク
- 経口補水液(ペットボトル+ゼリー)
- 水・麦茶
- ゼリー飲料
- カップゼリー・プリン・ヨーグルト
- アイスクリーム(小さいカップ)
- レトルトおかゆ・冷凍うどん
- レトルトスープ・カップスープ
- 栄養補助飲料・ゼリー(メイバランスなど)
- 「その人が好きで、体調が悪い日にも食べられそうなおやつ」

自分が病気のときに何が食べやすいかな、とイメージしてもらえると分かりやすいですね。
高齢の親と体調へのギモン
- 「今日はなんだか体調が悪そう…」
- 「ごはんをあまり食べたくないみたい」
- 「水分だけでいいのか、何か食べさせたほうがいいのか分からない」
高齢の親と接していると、こんな場面が少しずつ増えてきます。
とくに在宅介護初心者さんからは、
- 高齢の親が体調不良のとき、何を食べさせたらいい?
- 食べられないときは無理に食べさせるべき?
- 食べやすくて栄養のあるものって、具体的になに?
という相談をよく耳にします。
この記事では、現役老人ホームナースの立場から、
- どうして「病人用ストック」を決めておくと安心なのか
- どんな症状のときに、どの食べ物・飲み物が役立つのか
- 逆に、注意してほしいポイント
を、できるだけやさしく解説していきます。
※この記事は一般的な情報です。
心臓・腎臓・糖尿病などの持病がある方、食事制限がある方は、必ず主治医やかかりつけ医、薬剤師にも相談してくださいね。
なぜ「病人用の備え」が大事なのか
高齢の親は体調の波が大きいので、「体調が悪い日の食べやすいもの」を元気な
うちから決めておくと、家族があわてずに済みます。
高齢になると、若いころよりも体力が落ちてきて、
- 昨日は元気にご飯を食べていたのに、今日はなんだかだるそう
- 季節の変わり目や寒暖差で、すぐ風邪っぽくなる
- 「食べられる日」と「全然食欲がない日」の差が大きい
こんな『体調の波』がよく出てきます。
そのたびに、
- スーパーやコンビニに走る
- 何を買えばいいか、その場で考える
- 親を一人にして外出しなきゃいけない
というのは、けっこう大きな負担です。
だからこそ、
- 家族であらかじめ「うちの定番ストック」を決めておく
- 症状別に「まずはこれを出そう」という目安を作っておく
これだけでも、いざというときの不安がかなり減ります。
高齢の親が体調不良のときに意識したいポイント

「水分」「少量でエネルギー」「のどごしのよさ」この3つを意識すると、食べ物
選びがスムーズです。
細かく覚える必要はありません。
ざっくり、こんなイメージがあれば十分です。
発熱・かぜっぽいとき
- まずは水分・電解質(塩分・糖分)をとることが大事
- 固形物は、無理にたくさん食べさせなくてもOK
- スポーツドリンク・経口補水液・スープ・ゼリーなどから少しずつ
食欲が落ちているとき
- 普段と同じ量を食べさせようとしない
- 少量でカロリー・栄養がとれるものを選ぶ
- 「今日はスプーン○杯食べられたね」でOK
脱水が心配なとき
- 高熱・下痢・嘔吐があるときは要注意
- 水だけでなく、必要に応じて経口補水液も使う
- 尿の回数・色もチェックしておくと安心
この3つの視点を頭の片すみに置きつつ、
ここからは、具体的な『常備しておきたい10個』を見ていきます。
食欲が落ちたときの『切り札』として、栄養補助飲料(メイバランスなど)を数本ストックしておくご家庭も多いです。
詳しくは、後半の「⑨ 栄養補助飲料・ゼリー」のところで少し紹介します。

高齢の親が体調不良のときのために、家に常備しておきたい食べ物・飲み物10選
体調不良のときは「水分+少量でエネルギーがとれるもの」が鍵になります。
ここから紹介する10個をベースに、「うちの定番セット」を決めておくのがおすすめです。
① 水・麦茶(基本のき)
一番の基本は、ふだんから飲み慣れている水や麦茶です。
- たくさん飲んでも安心
- 冷やしすぎなければ、胃腸への負担も少ない
- 薬を飲むときの『相棒』にもなる
ペットボトルでまとめ買いしておくのも良いですが、
高齢の親が一人で持つには2Lは重いこともあります。
500mlの小さいサイズを何本か置いておくと、
体調不良のときも扱いやすくて安心です。
② スポーツドリンク(ポカリスエット・アクエリアスなど)
「水だけだと飲んでくれない」
そんなときに役立つのが、スポーツドリンクです。
- 甘さがあるので、飲みやすいと感じる人が多い
- 電解質(ナトリウムなど)も一緒にとれる
- 発熱や食欲不振のときの『応急的な水分』として便利
ただし、糖分も多めなので、
- 日常的にガブガブ飲ませない
- 糖尿病がある方には、量と頻度に注意
という点は、頭に置いておきましょう。
③ 経口補水液(OS-1など)※ペットボトル+ゼリー
高熱・下痢・嘔吐・ぐったりしているときなど、「脱水が心配」な場面で力を発揮するのが、経口補水液です。
- スポーツドリンクよりも、電解質バランスが「脱水向け」に調整されている
- ゼリータイプなら、一気に飲めない人でも少しずつ摂取しやすい
ただし、
- 日常の水代わりに飲むものではない
- 腎臓病・心不全・高血圧など、塩分に注意が必要な方は自己判断で多量摂取
しない
という点は、とても大切です。
「ペットボトル1〜2本+ゼリー数個」を『うちの脱水対策セット』として置いておく
イメージがちょうどいいと思います。
OS-1をおいしく感じるときは病気のときだ、とよく聞きます。
私は体調が良いときに飲んだことがありますが、全くおいしく感じませんでした。
④ ゼリー飲料
ゼリー飲料は、
- 噛むのがしんどい
- 喉が痛い
- コップで飲むのが負担
そんなときにちょうどいい存在です。
- ストロー付きで飲みやすい
- 一口ずつ、量を調整しながら飲ませやすい
- 栄養別に種類が選べる
「水分メイン」「エネルギーメイン」「タンパク質メイン」など、
各種類を1〜2個ずつストックしておくと、症状に合わせて使い分けできます。
タンパク質は体力や免疫機能の回復につながるとされているため、重要な栄養素です。
⑤ カップゼリー・プリン・ヨーグルト
スーパーやコンビニでも買いやすく、高齢の方にも人気が高いのが、
- フルーツゼリー(みかん・ぶどうなど)
- プリン
- ヨーグルト(できれば飲むヨーグルトもあると便利)
【ポイント】
- カチカチに冷やしすぎず、食べやすい温度にして出す
- 「全部食べさせよう」とせず、最初はスプーン数杯から
「ごはんは無理だけど、ゼリーなら食べられた」、
「プリンならなんとか入った」という話は、現場でもよくあります。
甘みとのどごしが食べやすい理由です。
⑥ アイスクリーム(小さいカップ)
ちょっと意外かもしれませんが、
バニラアイスの小さいカップは、とても優秀な『非常食』です。
- のどごしが良く、するっと食べやすい
- 冷たさが心地よく感じられる
- 少量でもカロリーが取れる
体調を崩したとき、子どもでも大人でも、
「甘くて冷たいものなら食べられる」ということはよくあります。
冷凍庫に2〜3個、
「これは病人用アイスね」と決めて置いておくのも1つの方法です。
⑦ レトルトおかゆ・冷凍うどん
固形のごはんがつらいときは、
- 白がゆ
- 梅がゆ
- 卵がゆ
などのレトルトおかゆがとても役立ちます。
味気がない場合は具入りのものもあります。

- 火を使わず、レンジや湯せんで温められる
- 水分も一緒にとれる
- すぐに食べられ、消化にやさしい
さらに、冷凍うどんも常備しておくと便利です。
- 具なしのシンプルなうどん
- 卵を落として、たんぱく質を少しプラス
など、体調に合わせてアレンジしやすいのがポイントです。
⑧ レトルトスープ・カップスープ
食欲がないときでも、
温かいスープは比較的口に入りやすいです。
- コーンポタージュ
- かぼちゃスープ
- 具なしのコンソメスープ
- インスタント味噌汁
など、やさしい味&具材少なめのものを用意しておくと安心です。
最初はスープだけから始めて、
少しずつパンやおかゆを足していく、というステップでもOKです。
⑨ 栄養補助飲料・ゼリー(メイバランスなど)
ここで出てくるのは、メイバランスのような栄養補助食品です。
私の現場でのメイバランスのエピソード
私が働いている老人ホームでも、メイバランスを飲んでいる方が何人もいます。
- 家族がいないおばあちゃんは、担当の調剤薬局から
「バナナ味」と「コーヒー味」が1箱12本ずつ、交互に届きます。
おばあちゃんは、「同じ味ばかりだと飽きるわよね」と笑いながら、毎日欠かさず飲んでいます。食事は毎食少量しか食べられませんが、なんとか体調は
保てています。 - 家族が購入して来られるおじいちゃんは、毎日日替わりで味を変えられます。
メイバランスを残したことがほとんどありません。
食事で栄養を摂ってほしくてもなかなか量が食べられない方に使用するのを基本にしています。 - 「これ美味しいね」「ジュースみたいで飲みやすい」という声を
よく聞きます。
在宅介護初心者さんへ伝えたいポイント
- 1本あたりの量が少なめで、飲み切りやすい
- 少量でエネルギーやたんぱく質、ビタミンなどがとれる
- 「今日はごはんが半分くらいしか食べられなかった」という日の『保険』になる
「毎日必ず飲むもの」ではなく、
『ちょっと食欲がない日用の切り札』として置いておくイメージで大丈夫です。
味選びのヒント
初めて買うなら、
- 甘めで飲みやすい「フルーツ系」を数本
- 好みで「コーヒー系」を数本ずつ
- 介護者が気になる味を数本
このように、数種類を交互に飲めるようにしておくと飽きにくいです。
『食欲がない日用の切り札』としてストックしておきたいメイバランス
⑩ 「その人が好きで、体調が悪い日にも食べられそうなおやつ」
最後の1つは、あえて少しあいまいに聞こえる言い方にしています。
「その人がふだんから好きで、体調が悪い日にも一口くらいなら食べられそうなおやつ」
これも、とても大事なストックです。
例えば、
- やわらかめのカステラ
- しっとりしたクッキー
- 甘さ控えめの和菓子
- 小さめのパン など
ポイントは、
- 「初めまして」の食べ物より、食べ慣れているもの
- かたいものより、やわらかいもの
- 量を調整しやすいもの
ふだんのおやつの中から、
「体調が悪い日にも使えそうなもの」を1〜2種類決めておくと、とても心強いです。
買うとき・置いておくときのコツ
「少量パック」「好き嫌いの事前リサーチ」「置き場所と賞味期限をざっくり
決める」この3つだけ意識すればOKです。
少量パックから試す
高齢の親は、
- 一度にたくさん食べられない
- 口に合わないと、そのまま余ってしまう
ということがよくあります。
初めて試すものは、できるだけ少量パックから。
「これは合いそう」と分かってから、少しずつ箱買いしていくのがおすすめです。
好き嫌いを、元気なときにリサーチしておく
体調が悪くなってから、
「ゼリー食べられる?」「アイスはどう?」
と聞くと、本人もしんどいです。
元気なときに、
- 「どんなゼリーが好き?」
- 「プリンとヨーグルト、どっち派?」
- 「バニラアイスと抹茶アイス、どっちがいい?」
と確認したり、一緒に食べて反応を見ておくこともいいですね。
保存場所と、ざっくり賞味期限チェック
- 「病人用ストックは、この棚のこの段にまとめて置く」
- 月に1回くらい、賞味期限をサッと眺める
これだけでも、かなり管理がラクになります。
逆に、注意してほしいこと
「経口補水液は薬寄り」「食べないときに無理に完食させない」「不安なら自己完結しない」の3つは覚えておいてほしいです。
経口補水液を日常の水代わりにしない
経口補水液は、あくまで脱水時のための飲み物です。
- 塩分やカリウムが多め
- 腎臓病・心不全・高血圧などのある方は、自己判断での多量摂取はNG
「なんとなく体に良さそうだから」と、
ふつうの水の代わりに毎日飲むものではない、ということは家族で共有しておきたい
ポイントです。
食べないときに、無理やり完食させようとしない
高齢の親が体調を崩しているとき、
- 「いつもどおり完食させないと不安!」
- 「残したら栄養が足りなくなる!」
と、つい思ってしまうこともあります。
でも、しんどいときにいつもの量を無理に食べさせるのは、かえって負担になることも。
- スプーン数杯でもOK
- 「今はこれくらいにして、あとでまた少し食べようね」
こんな声かけで、こまめに少量ずつのほうが安全な場合も多いです。
不安なときは、早めに医療機関や訪問看護に相談を
- ぐったりしていて、反応が弱い
- ほとんど水分もとれていない
- 尿がほとんど出ていない、色がかなり濃い
こういうときは、「家にあるものでなんとかしよう」と頑張りすぎず、
早めに医療機関や訪問看護に相談することが大切です。
「うちの定番セット」を決めておくと、かなり安心
全部そろえる必要はありません。
大切なのは、
- 親が飲めそう・食べられそうなものを選ぶ
- 家族が管理できる量にしぼる
- 「うちの病人用ストックはこれ」と決めておく
ことです。
私ならこんな組み合わせにします
- 水・麦茶
- スポーツドリンク 2本
- 経口補水液(ペットボトル1〜2本+ゼリー数個)
- レトルトおかゆ 数個
- 冷凍うどん 数玉
- ゼリー飲料 数個
- カップゼリー・プリン・ヨーグルト
- バニラアイス小カップ 2〜3個
- 栄養補助飲料(メイバランスなど)で数本ずつ
- その人が好きで、やわらかめのおやつ 1〜2種類
あとは、それぞれの家庭で、
親の好みや持病に合わせて微調整していくイメージでOKです。
ドラッグストアまで行けないときに助かる、メイバランスのネット注文
備えは不安を小さくする
在宅介護は、「いきなり大変な介護」が始まるわけではなくて、
ちょっとした体調不良や『いつもと違う日』が、少しずつ増えていくことから始まります。
そのときに、
- 家に、何をどれくらい置いておけば安心か
- 体調が悪い日に、まず何を出してあげればいいか
これが決まっているだけで、
家族の不安と「どうしよう…」という焦りは、かなり小さくなります。
この記事が、あなたの「親の介護の第一歩」の、少しでも心強い味方になれたら
うれしいです。
