介護初心者がまず知っておきたい用語7選②【現役ナースがやさしく解説】

今度お母さんに、ショートステイを使ってもらおうと思ってるの。

ショートステイ?デイサービスとは違うもの?

そう、違うのよ。施設に何日間か宿泊できるの。

へー、色々あるんだな。カタカナだらけで違いも分からないな。
介護を始めると、「聞いたことはあるけど意味がよくわからない言葉」が増えてきますよね。
「デイサービスって何?」「延命治療って結局どんな治療?」など、ひとつひとつの言葉に馴染みがないので、戸惑うこともあるでしょう。
この用語集第2弾では、在宅介護が始まってすぐに出てくる「現場感のある言葉」7つを選びました。
介護初心者のあなたが「これって何だろう?」とつまずきそうな用語をわかりやすく、かつ親しみをもって解説していきます。
介護初心者が知っておくべき用語7選②
1. 要介護認定
介護サービスの必要度(どれくらい、介護のサービスを行う必要があるか)を判断するもの
- 「要介護認定」とは、介護サービスを受けるためのスタートライン
- 市区町村へ申請。訪問調査や主治医の意見書などをもとに「要支援」か「要介護」の区分を決める

最初に認定を受けるって聞くとハードル高く感じますけど、実は
『自分で動ける範囲を守るため』の制度なんです。

2.デイサービス
利用者が日帰りで施設に通うサービス
- 食事・入浴・体操・リハビリ・レクリエーションなどを受けられる
- 家にこもりがちになる親にとって、外の世界との接点になる場所になる

「行きたくない」って反発が出やすいけど、最初は週に1回だけとか午前中だけから始めてもいいんです。

3. ショートステイ
短期間だけ施設に入所し、介護を受けることが可能なサービス
- 介護者がどうしても動けない時や、介護者が休息したい時の預かりとして使える
- 施設入所までの預かりとしての利用も可能

預けるという言葉に罪悪感を感じる人も多いけど、ショートステイは長く介護を続けるための、介護者にとっての休み時間です。
4. 排泄介助
排尿・排便のサポートをすること
- 介護の中でも最も実感しやすく、抵抗も感じやすい部分
- 恥ずかしさや遠慮が出る領域だが、生活の質に直結するケア

最初は心がついていかなくても大丈夫。少しずつ補助から始めればOK。お互いが安心できる形を探せばいいんです。
5. 転倒
介護状態になってしまう原因の上位
- 高齢者の転倒は在宅介護でよく出てくる事故のひとつ
- つまずきやすい場所、滑りやすい床、段差などに注意が必要

転ぶこと=老いることではありません。ちょっとした工夫が、次の大きな事故を防ぎます。
6. 脱水
水分がゆるやかに足りなくなる状態
- 高齢者はのどの渇きを感じにくく、知らない間に脱水が進むこともある
- 寒い季節でも注意が必要。決まった時間に水分を摂るようにする

水を飲むのを忘れがちな高齢者には、一口ずつちょこちょこ飲みが効きます。まとめ飲みじゃなくてOK。

7. 延命治療
回復の見込みが乏しい状態で生命維持を試みる医療行為
- 人工呼吸器や胃ろう、点滴、人工透析、昇圧剤の使用など
- 家族として、どこまで望むかの判断を迫られる場面もある

延命しない = 諦めじゃない。「穏やかに」最後を生きる選択肢を持つことも大事なんです。
意味がわかるとやっぱり安心
知らない言葉が並ぶと、不安が膨らみます。
でも、一つひとつ意味を理解していくことで、介護は怖さから工夫に変わっていきます。
このシリーズが、あなたの介護の辞書になればと思っています。
次回もまた、リアルな言葉を取り上げていきますので、ぜひ楽しみにしていてくださいね。
