初めての介護で不安になったあなたへ ー介護の始め方と心を守るヒント


介護ってなんだか不安だらけのような気がしていませんか?
無理はしなくていい。自分の感情は大事に受け止めてください。
がんばらない介護、一緒に少しずつ歩んでいきましょう。
介護の世界は、悪くない
「親の介護が初めてで不安…」「何から始めたらいいのか分からない」
「親の介護が始まるかもしれない」そう感じた瞬間、心の中はジェットコースターみたいになりますよね。
不安、恐れ、ショック、やるせなさ…そして「これから自分の生活はどうなるんだろう…?」という大きな問い。
まず最初にお伝えします。
その気持ちは全部、間違いでも弱さでもありません。
初めての介護で不安になるのはごく自然なこと。
この記事は『親の介護図鑑』のプロローグとして書きました。
私は老人ホームで働く現役ナースであり、今まさに自身の親の介護を目前にしている娘でもあります。
だからこそ、この記事では「初めての介護」を前に感じるモヤモヤをやさしく受け止めながら、あなたに伝えたいことを書いてみます。

初めての介護で不安になるのは自然なこと
私の「初めての介護」ー 親を責めてしまった日
私の高齢の父は1人暮らし。
ある日物忘れが出てきて、病院の受診を忘れていたことがありました。
私はつい言ってしまいました。「なんでカレンダーにメモしてないの?」「なんで私に先に伝えなかったの?」と。
父は「知らなかった」と答えました。それまで数ヶ月に1回の病院受診や検査予約は、事前に父から私たち子供に伝えられていました。
それが出来なくなっている。
私はショックや怒りのような複雑な感情、とうとう来たかという悲しさなどで、キツい言い方をしてしまいました。
今思えば、それは私自身の不安と焦りが爆発しただけ。
この出来事が私の「介護の始まり」です。
だからこそ伝えたいのは、「責めてしまった自分」を責めなくていいということ。
初めての介護では多くの人が同じように戸惑います。
「完璧にやらなきゃ」は危険ワード
介護はマラソンに似ていて、ペース配分が大切。
最初から全力疾走すると、バテます(笑)。
「今日は最低限でいい」「顔を見に行くだけでいい」— そんな柔らかい目標を自分に許してあげてください。

介護を始めるときに押さえておきたい3つのこと
自分の親、義理の親、親戚などの介護。まずはこの3つからやってみてください。
1、主治医と薬の情報、日常生活
- 持病、のんでいる薬、かかりつけ医
- 医療保険証(マイナンバーカード)、介護保険証の所在
- 生活の自立度:できること、できないこと
この3つを押さえるだけで「いざ」というときに慌てなくなります。
最新のお薬手帳のページや薬剤情報をスマホで写真に撮り保管しておきましょう。
2、「ちょっと相談」を習慣にする
介護は1人で抱え込むと辛くなります。
家族、友人、地域包括センターやケアマネなど、誰かに話す、聞いてもらう。
『ちょっと聞いて』と口に出すだけで心は軽くなります。
3、自分のケアもセットで考える
これは私からの本気のおすすめです!
介護が始まると「自分の時間を削ること」が当たり前になりがちです。
だからこそ、意識的にリラックスする時間と自分へのご褒美を必ず作ること。
好きなカフェのスイーツでも、推しのドラマ1話分でもいい。
「ご褒美があるから今日も頑張れた」と、続ける力になります。

具体的なケースとして「高齢者が発熱したときの対応」は多くのご家族が迷う
ポイントです。
詳しくはこちらの記事でまとめています →https://nursemiiblog.com/high-fever/
ナース・ミーからの心を守るアドバイス
1. 「不安になるのは自然なこと」と認める
初めての介護は誰もが戸惑います。
「私だけ弱いのかな」と思わなくて大丈夫。
不安はあなたが親を大切に思っている証拠なんです。
2. 感情があふれても大丈夫
イライラする日も、強く言ってしまう日もある。
それも普通のこと。
大事なのは、「次は少し優しくできたらいいな」と思えることです。
3. 誰かと分け合うことで軽くなる。
介護はシェアすればするほど楽になります。
「ひとりで背負わなくていい」と覚えていてください。
周囲には介護中の人、介護を終えた人が案外いるかもしれません。

友人と思いを共有
私の知り合いは自分の親を介護し始めた頃、ちょうど友人も親の介護が始まったそうです。
互いに愚痴を言ったり、介護のアイデアを伝えあったことも。
介護が終わった今、時々当時を振り返って思い出話をすることもあるそう。
その2人の介護への共通認識は…「少しずつ慣れてくる」だそうです。
一緒にゆっくり行きましょう
この記事は『親の介護図鑑』のプロローグです。
介護は「完璧にこなすべきミッション」ではありません。
不安や怒りや涙が出ても、それはあなたが弱いからじゃない。
人として自然な反応です。
そして大事なことをもう一度。
頑張らなくていい。でも小さな一歩だけ一緒に踏み出しましょう。

あなたの「初めての介護」が、不安だけでなく「大切な時間」になれるように、ここで待っています。